探偵が調査を行う上で、失敗するパターンをいくつかご紹介します。
単に失敗と言っても、
「探偵のミスによる失敗」と「探偵に非がない失敗」があります。
この投稿ではそれぞれについて記載します。
調査における明らかな探偵側のミスとしては、大きく分けて、
・対象者に調査がバレる。
・第三者に怪しまれる。
・対象者を見失う、見落とす。
この3パターンです。
どれも避けるべき事態ではありますが、
・1番まずいのは対象者に調査がバレる事です。
調査がばれてしまえば調査成功率が一気に下がります。
場合によってはそのまま二度と証拠が撮れなくなるという事もあり得ます。
調査がばれるパターンで多いのは、
・尾行のやり方
・監視のやり方
です。
単に尾行が下手で調査がばれる。
ただ歩いているだけの人を追うなら簡単なのですが、実際の対象者は実に多種多様な動きをします。
デパートに入ってエレベーターに乗る。
駅のエレベーターを使う。
道路を渡ろうとして後ろを振り向く。
道に迷う。
待ち合わせでキョロキョロする。
などなど、対象者の目線は常に動いています。
時には視界に入る事もありますし、エレベーターのような密室で2人きりにならざるを得ないような場合もあります。
そのような時、いかに対象者に意識されないようにするか?というのが探偵の技術です。
※場合によっては今後の調査の継続の為、その日の追跡を断念する、という判断をする事もあります。
対象者がいる建物を監視する場合にも注意が必要です。
出入り口だけに集中してしまうと、上の階からその姿を見られていたり、カーテンの隙間から逆に監視されている、という事もあり得ます。
監視地点にも注意が必要です。
筆者も探偵を始めたての頃、追跡がバレてしまい危機に陥った事が何度もあります。
対象者が尾行に気づき、警察を呼ばれて署に連行されたり、
対象者が駅の事務室に駆け込んで事情聴取されたり、
渋谷駅で私服警官に取り押さえられたり。
さすがに今ではもう何年もそんな事はありませんが、追跡の技術が備わっていなかった初期の時代は何度も苦汁を舐めました。
重ねて言いますが、調査がばれる事は最も避けるべき事態です。
見失ったりした場合はまだ取り返しがつきますが、ばれるとそうも言ってられなくなります。
・次に良くないのが、調査現場で第三者に怪しまれる事です。
調査中、長時間の監視が必要になる地点で第三者に怪しまれると、調査の継続が難しくなります。
数時間で出てくる飲食店などの場合は多少他人に怪しまれても問題はないのですが、対象者の自宅などで第三者を敵に回してしまうと調査の成否に関わる場合があります。
警察に通報したり、近所の人達に怪しい人がいると触れ回ったりなど、第三者に怪しまれると調査継続が難しくなる場合があります。
筆者の経験談ですが、探偵会社で働いていた時代、住宅街で無理に立ち続けて監視を継続した結果、年配の女性がそれを怪しんで、近所中にそれを伝え、見渡す限りの人達に怪しまれまくるという事態になった事があります。
警察も呼ばれ、近くの民家の人は白々しく野球の素振りをするフリをしてこちらを観察している、遠くから様子を伺っている人達も居たり、というような地獄絵図でした。
現在では依頼者様と直接連携が取れているので、そのような失敗はせずに済んでおります。
・対象者を見失う、見落とすのはまだ上記2つよりはマシといえます。
(あくまでマシというだけです。見失わずに追跡するのが探偵の仕事です。)
対象者の警戒心も上がらないので、またやり直す事が出来ます。
これについてはよそ見や追跡の距離感を見誤ったりなど、明らかな探偵側の集中力不足と言えます。
これは当探偵事務所の契約書にも記載があるのですが、
・調査開始時点で既に対象者が監視地点から居なくなっていた場合。
これについてはたまにあるのですが、探偵の費用は調査時間に応じて加算される為、依頼者様が時間ギリギリから調査開始をお望みになる場合があります。
結果的に調査開始時間より前に対象者が行動を始め、その日の追跡は失敗するという事もあります。
丸一日分損をしてしまうので、開始時間にはある程度余裕を見て調査する事をお勧めしています。
・交通状況
主に車両追跡の場合ですが、対象者の交通違反により、調査継続を断念する場合があります。
浮気調査の場合はGPSを付ける事がほとんどなので、仮に目視出来なくなったとしても調査継続出来る場合がほとんどですが。
※GPSを付けられるのは依頼者様が所有している車両のみとなります。(共有財産と言える車両も可)
・災害
・犯罪
これについては極めて稀なケースです。
今のところ、当探偵事務所で適用された事は一度もありません。
・現地の地理状況
周り一戸建てばかりの住宅街だったりすると、監視が難しくなる場合もあります。
依頼者様に対象者が出る時間を教えて貰うなどで対策可能ですが、
「監視しにくい戸建ての住宅街に住んでいる一人暮らしの対象者」
のような極端な例だと調査が難しくなる場合もあります。
・依頼者様からの情報に誤りがあった場合
これについては何度も確認をするので滅多にありませんが、監視地点の住所の間違い、対象者が勤務する会社の名前の間違いなどがあると、調査が失敗する恐れがあります。
・依頼者様側に原因がある調査の発覚
本当に多いのが、「探偵に送るはずだったメッセージを間違えて対象者に送ってしまう」というパターンです。
筆者が行った調査で、対象者が自宅を出るタイミングで依頼者様に教えて頂く作戦を取る事があるのですが、
「今から旦那が出ます!」
という文章をそのまま旦那さんに送ってしまった方もいらっしゃいます。
もちろんその日の調査は断念。
対象者の警戒心も上がってしまいました。
その他の例だと、契約書、領収書をその辺に置きっぱなしにしてしまって、対象者に見つかってしまった依頼者様もいらっしゃいます。
・ご依頼前から既に警戒している場合
たまにあるのですが、既に他の探偵社で調査失敗、バレてしまっており、その上で当探偵事務所にご相談頂く事もあります。
意外と突破口は見つかる事が多いのですが、通常の無警戒の対象者よりは調査の難易度が高いです。
探偵側に非がない失敗は上記になります。
探偵に調査をご依頼される方のほとんどの方が、初めて探偵に依頼される方達です。
どういう時に失敗するのか知っておけば、調査を成功させる確率をぐっと上げられるのではないかと思います。
ご参考になれば幸いです。
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